【No.5】
2004年7月19日
読む抗ガン剤 第113回 「似非治療を見抜け」に対する意見
はじめまして。
私は○○市のA病院外科に勤務するの14年目の外科医です。今週発刊の週刊現代の中の近畿大八木田教授に関する先生の意見を拝見しました。やっとここまで公に注意を喚起してくださる人がでてきたと嬉しく思ってメールをさせて頂きました。
2年ほど前ですが、肺癌T2,N0,M0の男性患者さんが手術前に、家族のものに八木田教授の話を聞いたらしく、どうしてもその免疫治療を受けたい、手術は受けないということで、私も泣く泣く患者さんを退院させざるを得なくなったという苦い経験があります。
なんでも免疫治療前に各種リンパ球マーカなどを測定するために高額の料金が必要であり、当然治療そのものにも多くのお金がかかるのでしょう。なんとか止めようとしたのですが、あのような状況では患者さんも冷静さを失うのでしょうか、無理でした。怪しい本の信仰者が家族の中にでもいたのでしょう。なぜあのような人が医学部の(おそらく免疫学教室か何かだったと思いますが)、教職に就いているのか不思議でなりません。
以前B大学のC先生が、免疫療法などは患者が遺族に残すべき貴重な財産を食い物にする非常に悪質な医療であると言及されていましたが、まさにその通りと思います。私自身も大学時代は膵癌の免疫療法をかじっていましたが、当事者としてその限界は十分に理解しています。
私のような田舎の外科医でも、なるべく癌専門病院と同じような治療を提供すべく頑張っているのに、あのようなインチキな医者に患者さんを持っていかれたと思うと今も非常に悔しい気持ちです。
今後もご活躍を期待しています。
このページは、週刊現代 読む抗ガン剤 第112回 『吐かない弱音、吐く弱音』の中に出てくる「C医師」に対する意見を掲載しております。(選考は平岩先生が担当しております。)