【No.2】
2004年7月17日 【平岩先生に深く感謝いたします。】
私の夫は昨年1月に検診で大腸ガンがみつかり肝臓にも転移していました。本人のショックも大きかったのですが、私も大変ショックでした。
九年前に初期の胃癌で同じ市民病院で3分の2切除していたので毎年胃の検診は受けていたのですが、大腸はしていませんでした。(腸閉塞を起こすと大変なので急ぎ直腸のみ切除し、肝臓は1ヵ月後手術と言われました。)
病名を告げる医師に話したところ、少し笑いながら(胃と腸は別ですからね、こちらから勧める事はしないので、自分で受けないとね)と言われ、胃を切除後に当時の医師から(10年後も保障します)と言われ安心しきっていた自分たちの考えの未熟さに愕然としました。
当時手術に立ち会っていたと言うその医師は(今は手術部長となっている)私と息子たちに(肝転移があったのでどのみち助からないから残りの時間を好きな仕事をさせてあげたらどうか、家族も生活があるから働けるだけ働いてもらい、残りの時間は家族と過ごすことを考えてあげたらどうでか?)と大変やさしく話してくれました。
私は涙にくれていたのですが、その話を聞きながら(ちよっとおかしいわ、サラリーマンの夫は確かに仕事熱心でも、命の時間が限られてしまってまでも仕事をするだろうか? まして、治療する前からダメと決めてかかっているとは・・・)とこの医師の話を聞いている時間が惜しくなり早くセカンドオピニオンを探そうと、家に飛んで帰りました。
一昨年我が家にパソコンが来たとき何にも触る事も出来なかった私ですが、早速、癌のサイトを探しキャンサーネットジャパンを知りアクセスし、めぐり巡って平岩先生のサイトに辿り着きました。
ラジオも普段は聞いてもいないのですが、たまたま聞いたところ主人の病状の話、その先生にもアクセスしたところ大変ご丁寧で、親身な御返事を頂き、あきらめないでと励ましていただき本当に心強く嬉しく、費用の事もあるから地元の医師を紹介しましょうか?ともおっしゃっていただきました。
そうこうしている間に○○市で看護士である夫の姉が勤務先にいらっしゃる先生に是非、診てもらうように連れてこれないかと言ってきました。
姉は40年近く看護士をしていていろんな医師に出会ったが本当に、患者のための医療をしてくれる先生だからと言われ、夫は市民病院の医師を信頼しており家族に前述のような説明があった事は知らないので行くのをいやがりましたが、直腸術後2週間、肝臓手術まで2週間あり今しかないと思い、無理やり(私の泣き脅しが効いたかも)○○市に連れて行きました。
その医師はCT、腫瘍マーカーの値、を見ながらキャンサーネットの英語の文献大腸ガンに関するデータ、抗癌剤にかんする話、投与法(アメリカ式、フランス式)など生存率、これからの治療法など詳しく話していただき、(患者も医師もおたがいにがんばりましょう、いろんな顔立ちの癌にはいろんな対処法が有ります。但し、絶対大丈夫とは断言出来ないがやれるかぎりの方法は沢山ありますよ。充分闘えますよ)と言って下さる先生はどんなに心強かったか知れません。
3月初めに肝臓部分切除5月まで入院し抗癌剤夜間投与。8月一杯まで週一に一泊入院で抗癌剤投与。今年3月まで月一回CT(肝臓・肺交代で)いまは2ヶ月に一回肝臓と肺交代でCTを撮りにいきます。(肝臓切除の術後説明のとき、過去の胃切除後きちんと専門的な処置がなされず異常なくらい癒着が激しいので、腸閉塞を起こしやすいから気をつけましょう。血管の変形が著しく、ポート留置したが使えなくなるかもしれないが そのときは全身投与をと言われ結局、全身投与に変わりました。)
ともかく、夫は以前よりは痩せましたが、仕事も月1回のゴルフも行けるようになり、好きなアルコールも健康の為などといいながら日本酒から焼酎に変えて(飲めない私にはわかりませんが・・・)この先不安が無いといえば嘘ですが先生は、(CTの被爆問題も在るが、今の状態でやっていれば、手遅れにはならないからね。出てきても小さいうちに退治できる)と言ってくれました。
去年あのまま市民病院にいたら今年はどうなっていたのかと思うと、患者ももっと勉強して本当の医者に巡りあえる為に努力が必要だと思い、それにしても医師によってこんなにも違うのかと思います。ただ市民病院では財政的に無理なのであろうとも思いますが。私も夫の事が落ち着いてから体調をくずし内科、整形外科、婦人科など病院めぐりを体験しました。
当然原因を聞かれ夫の事を話しますと、肝転移と言っただけで、気の毒だね・・とかA地方のほうへと言うと、ああホスピスの▲▲ねと言われました。一人の医師はB県の先生を教えて欲しい、みじかにいるので。とも言われました。皆それぞれよい病院と言われ患者の多いところですがもっと新しい医療を取り入れ固執した昔からの観念を見直していただきたいものと思います。
夫はまだ56歳、長男が今年結婚します。孫にはスキーとゴルフを教えようと楽しみにしています。
このページは、週刊現代 読む抗ガン剤 第112回 『吐かない弱音、吐く弱音』の中に出てくる「C医師」に対する意見を掲載しております。(選考は平岩先生が担当しております。)