補助抗癌剤治療の考え方
【 ID-807 】
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ID |
ID-807 |
性別 |
女性 |
年齢 |
62歳 |
病 名 |
胆道癌(胆嚢癌または胆管癌) |
進行度 |
ステージ3 |
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手術歴 |
2002年07月 |
肝門部胆管腫瘍による切除手術 |
放射線 治療歴 |
2002年08月 |
不明 |
抗癌剤 治療歴 |
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現在、最も辛い症状 |
腹部(表皮)の痛み(ケロイド体質といわれ傷が治りにくい)、倦怠感 |
相談その1 |
肝門部に腫瘍が確認され手術。 黄疸は出ていませんでしたが肝門部にできた腫瘍の為に肝臓左部は縮んで機能しておらず、癌細胞は門脈にまで浸潤しており、結果、胆嚢・胆管上部・肝臓左部全摘出・肝臓右部の一部を切除(全肝臓の26%を切除)、胆管5本を3本にまとめて小腸に接合しました。確認できる範囲では癌細胞は残っておらず、5週間ほど放射線治療を受けました。 現在は腹部の痛みはありますが少しずつ日常生活に戻りつつあります。来月から抗がん剤治療としてFAM療法(5-FU,アドリアシン,マイトマイシン)を5ヶ月間行うとの事です。 強い副作用が出るとききましたが再発予防にどれほどの効果が期待できるのでしょうか? |
相談その2 |
胆管癌は早い時期の再発率が高いとききましたが、再発予防抗がん剤治療のため、毎月1週間から10日ほど入院をしなければならないとの事。 体力が回復しつつある今、強い抗がん剤治療は本当に必要なのでしょうか? 治療を行うとしても錠剤の服用などで通院をしながら日常生活をできるだけ犠牲にしない方法や、あまり強い副作用が出ない別の種類の抗がん剤治療法はないのでしょうか? |
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平岩 正樹 先生の回答 |
手術後の抗癌剤治療は「念のため」であり、効いているかどうかが、実際には確認できません。これが再発胆道癌に対する抗癌剤治療と大きく異なることです。 「効いてないかもしれない」と考えれば、無理な治療は避けたいものです。一方「期間限定」であることを考慮すれば、ある程度の副作用は我慢できるかもしれません。 以上のことは、一般的な抗癌剤治療の「評価」(ID−730に対する回答を参照してください)の内の「@とBが不明」ということになりますから、AとCが出ないように薬量を調節し、薬種を考えることになります。 一般的には胆道癌には、ID-152、ID-325、ID-381、ID-593に対する回答に書きましたような治療のほうが、効果が期待でき、副作用も少ないことが多いと考えます。 |
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