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補助抗癌剤治療の考え方

【 ID-1035 】

ID ID-1035 性別 女性 年齢 31歳
病 名 胃癌 進行度 ステージ3
手術歴 2003年12月 幽門側胃切除
放射線
治療歴
- -
抗癌剤
治療歴
2002年12月〜2003年01月 TS-1
現在、最も辛い症状

食欲不振、倦怠感

相談その1

 妻は2002年11月ころ胃が気持ち悪いとの症状で内視鏡を見てもらったところ胃潰瘍とその原因となっているがんが発見されました。
 12月中旬に幽門側を切除しました。迅速診断で断端と腹水採取はマイナスだったため、胃の四分の一を残すことになりました。4dの部位にリンパ節転移が一箇所ありました。リンパ節は第二群まで郭清しました。
 その後の病理の結果ではリンパ管侵襲はly3、静脈侵襲はv1でした。また切除した胃の別の場所に早期がんが一箇所発見されました。
 いまのところ腫瘍マーカーなどは正常で目に見えるがんはないということです。補助化学療法として退院後から6ヶ月間TS1を1日二回に分けて100m飲むように指示されました。
 しかし、副作用がひどく食欲が全くなくなってしまうのと、倦怠感が強く何もやる気がなくなってしまうとのことで3〜4回飲んだだけでやめてしまいました。

相談その2

 そこで50mに減らして様子をみることになりましたがすぐに下痢になってしまい食欲もないということです。
 体重と身長の標準の量では100mを飲まなくてはいけないのですが、半分の50mを飲んで効果があるのでしょうか。
 また毎日飲むと生活ができないといい、飛び飛びになっています。
 そんな飲み方で効果はありますか。よろしくお願いします。


平岩 正樹 先生の回答

 補助抗癌剤治療の基本的な考え方は「副作用が容認できる範囲で最大量」が原則だと私は考えています。
 たとえばTS‐1の場合でいえば、100mgで少ない人もいますし、50mgで多すぎる人もいます。「兎よりは、亀」と考えて、継続できる量がその人の適量です。結局、一定期間の投与総量もそのほうが多くなると思います。

 50mgで辛い場合は、40mg、25mgと試していきます。継続できる量がその人の適量と考えるべきです。

 一般的に抗癌剤の適量は患者により10倍の開きがある、と考えてよいと思います。少ない薬量でも充分である「経済的な人」もいれば、大量が適量である人もいます。

 

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