混合診療の結果についての説明
厚生労働省へ行ってきました。(1/26・16:00〜)
先月「癌と共に生きる会」で要望をあげた、混合診療の結果についての説明があると、尾辻厚生労働大臣より連絡があり、「癌と共に生きる会」メンバーで厚労省へ行き話しを聞いてきました。
厚労省としては、混合診療の全面解禁という形ではなかったが、患者側の要求に対し、ほぼ答えられたと自負しているとのことでした。
しかし、混合診療の問題が提起されたことについては、混合診療時の保険診療分の自己負担は通常考えてもひどいと思うし、反省しているとのことでした。
今まで、がんを考えた時、患者の視点が抜けていたと思う為、今回は最大限患者の立場に立って何に困っており、何を希望されているのかを考え、患者のための混合診療を最優先に進めたとのこと。
1/21に開催された「未承認薬検討委員会」についても、大臣の肝いりで行なっており、今までの役所仕事からみると異例のスピードで審議しているとのことでした。
同日に開催された「がん均てん化委員会」においても早急に進めるよう冒頭話をしたとのことでした。
また、癌は、国民の死亡原因の一番の病気であるにもかかわらず、全体の医療費の中に占める癌対策費として予算は、ほんのわずかな金額であり、がんについて真剣に考えるなら、この予算では到底足りないので再度予算化の検討をする必要があると思っているとのこと。
予算以外でも何かしらの癌対策(検討中)を、早急に且つ前向きに取り組んでいきたいとのことでした。がんについて厚労省の関係部署で考えると3局程度に分かれるので、局の枠を超えたがん対策のチームを作れると良いと思っているとのこと。また、名ばかりのチームではなく、実行の伴うものにしたいとのことでした。
大臣は会見の最後に「患者の声や視点が大切なので、いつでも私のところに直接要望を持ってきてください」との話がありました。
私は尾辻大臣が、がん医療の抱えているお寒い現状がわかり、「何とかしなければ」という気持ちになり、前向きに考えてくれているという印象を持ちました。
併せてがん医療を良くするには、我々患者が直接訴えていくことが一番の早道だと思います。
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混合診療解禁と聞いて、私が単純なのかすぐに未承認の抗がん剤の大部分に混合診療が利用できるようになるのかと思っていたのですが、実際はそんな簡単なものではなく、要望のあった抗がん剤について、未承認薬検討委員会で検討し、3ヶ月以内で答えを出し、その後特定療養費制度を利用し混合診療が可能になるとのことでした。
今回検討された薬は、承認寸前のオキサリプラチンを含む3剤のみでした。
海外では承認され標準的に使用されているが、日本で未承認の抗がん剤は既存のものだけでも80種類程度あり、それが一括で混合診療可能になる?とはいわないまでも、大部分の抗がん剤が、すぐに混合診療の対象になると思っていただけに正直ショックでした。
何でこんなに難しいのでしょうか。未承認薬検討委員会が年4回だとすると、検討できるのは一年間に12剤、次々の新しい抗がん剤が開発されることを考えると、とても十分とはいえません。
厚労省が言っている今までに比べてのスピードアップは認めますが、日々がんという病気と闘っている患者にとっては、厚労省のスピードでは間に合わないのが現実です。
混合診療が認められたのが、患者が亡くなった後というようなことが起こらないためにも、また混合診療が形骸化しないためにも、未承認薬検討会での検討抗がん剤の数を大幅に増やすこと、検討スピードのアップを要望していきましょう。
この要望を大臣に伝えたところ、大臣からも未承認薬検討委員会に患者の現状を伝え、早期に検討を進めるよう要求してみますとのことでした。