blog-1 「混合診療」について 2004-11-26
(投稿掲載12件 2005-6-10)
混合診療について皆様のご意見・ご希望・ご感想をご連絡ください。実名・固有名詞等はなるべく避けたいのでペンネーム等でご連絡ください。
混合診療について 【 ペンネーム K 】 june 10, 2005
がん治療における主権者は、がん患者です。従って、どの薬を使用するのか決めるのはがん患者自身であるし、国なんぞに使用する薬を指定させるわけにはいきません。
そもそも混合治療を認めないというのが、法的根拠があるのかが曖昧です。
どの法律のどの条文に書いているのか?知ってる人がいたら教えていただきたい。
非常に重要な問題なのに、まさか厚生省の役人の局長通達とか、課長通達レベルで決めているんじゃないでしょうね?まるで金科玉条のごとく扱われてるが、これについて今まで国会で決めた経緯があるのか?がん難民という言葉も気に入らない。
なんで主権者たるがん患者が、国の役人ごときにぺこぺこしなければならないのか? もっとがん患者は堂々と政策変更を要求すべきです。(=という私も患者の一人ですが。)
混合診療について 【 ペンネーム ヨネ 】 December 06, 2004
私は混合診療については基本的には反対です。
確かに保険適用の抗がん剤で効かない時は世界標準の保険適用外の抗がん剤の必要性は充分理解できるのですが、それよりも、早く厚生労働省に未承認薬の承認を働きかけるのが良いのではないでしょうか?
私の母(2003年2月死去・60歳・直腸がん)の時も抗がん剤の手玉がなくなったとき、オキサリプラチンの使用を考えましたが、主治医の説明と薬価の負担で断念しました。
一般のがん難民には経済的余裕のない人もいます。
現在、がんを患っている患者さん、家族の思いを考えると時間が無いのはわかります(私の母もそうでした)が、早期承認を認めてもらうほうが正攻法ではないかと思います。
以前、平岩先生の患者さんでジェムザールの早期承認を厚生労働省に働きかけた人がいらしゃいましたが、多くの人の働きかけで早期承認を勝ち取ることが出来ると思います。一刻も早く日本で世界標準の抗がん剤治療が出来る日を願っています。
混合診療について 【 ペンネーム もつ煮 】 December 09, 2004
はじめまして、37歳すい臓がんの患者(ステージW)です。
私は混合診療については、部分的解禁が必要だと思っています。
全面解禁については、科学的根拠のない治療までもが混合診療に加えられる可能性がある為、疑問が残ります。
外国で標準的に使用されている、科学的根拠のある治療で効果や安全性の判っているものについては、混合診療を認めていくことが良いのではないでしょうか。「危険性があるから使わせない」のではなく、「そうした危険性についても癌治療を専門とする医師との間でインフォームドコンセントがあった上で、あくまでも自己責任のもとで使用を認めていく」方が良いと思います。
基本的には保険で治療が受けられることが一番だと思いますし、未承認薬の早期承認が王道だとも思っています。しかし、現在日本での抗がん剤の新薬の承認がFDA承認後5年から10年近くかかるという現状を考えると、緊急避難的に混合診療を認め、患者の選択肢を広げていく必要があると思っています。実際に未承認薬を使用し劇的な効果があった方を知っていますし、未承認薬で延命しているうちに良い薬が出来ないとも限らないですし。
早期承認のシステム作りは時間がかかると思いますので、選択肢を広げた上で早期承認を認めさせていくための活動をしていくことが必要ではないかと考えています。また、未承認薬の使用のデーターを積み重ねていくことが承認への早道ではないでしょうか。
私は今年9月に余命3ヶ月と宣告されましたが、12月現在、抗がん剤の治療効果もあり、とても元気に過ごしております。がん患者の皆さんあきらめず共にがんばりましょう。
混合診療について 【 投稿者 平岩 正樹 】 December 16, 2004
私が支持しているのは、あくまでも緊急避難としての混合診療です。このサイト内の『読む抗癌剤』128回の「緊急避難としての混合診療」に書きました。
また医療費を削減するという目的なら、私はまじめに「逆混合診療」を提案しています。週刊現代の『読む抗癌剤』の135回(12月下旬発売予定)でも再び『逆混合診療』を提案しています。
混合診療について 【 投稿者 S.N 】 December 23, 2004
全面的に賛成です。基本的にがん患者には時間がありません。
ぐだぐだ言っているうちに、たくさんの人が亡くなっているのが判らないのですか。世界標準が日本標準でないのだからしょうがないじゃないですか。危惧することがあるのなら、翻訳ソフトの一つでも買って下さい。1万円もしませんよ。
NCIでもASCOでも標準治療で行っているものが日本では混合診療になってしまいます。
確かに値段のべらぼうに高いものもあります。が、たとえ借金をしてでも、その時に使えるのと使えないのとでは選択肢として雲泥の差があります。
価値観の問題です。その辺を普通に走っている車が一番高い抗癌剤の4ヶ月分くらいですね。2年間続けると小さな家が一軒建ちますね。そんな現金はありませんが、私なら借りれる限界までお金を造ります。ほかになにかあるのですか。
混合診療について 【 投稿者 Y.Y 】 December 25, 2004
インターネットやニュース、新聞などを見て、実際の病人をもつ家族として感じたことは、本当に抗がん剤などいろいろな治療方法を含め、実際に治療や臨床試験を行なっている場が少ないこと、又、全額自己負担でも治療を行なう病院が少ないことを考えると確かに足がかりとして混合診療をみとめないと治療を行なう病院も増えることはないのかなと思います。
また抗がん剤の値段の高さを考えると社会保険、国民健康保険のあり方まで大きく変えないといずれにしろ薬は治療には使うことはできない、本当に病人や家族が破綻するか、保険が破綻するかになり今後の問題は確かに難しいと思います
混合診療について2 【 ペンネーム ヨネ 】 December 28, 2004
色々な意見があって当然だと思いますが、厚生労働省が一番怠慢なのです。早く世界標準の薬を承認しないからこういう論議が出るのです。
私の仕事も厚生労働省の管轄ですが本当に役人の仕事は遅いです。まだまだお役所仕事です。
混合診療にはいくつかの問題点があります。
まず薬価や診療報酬が患者に適正な請求がされるか、という点です。良心的な病院なら適正に請求されると思いますが、なかには2倍、3倍の値段を請求する病院もでてくるでしょう。(自由診療ですから商売です。)
そうなれば逆に手持ちのお金で使える抗がん剤が減る可能性が出てきます。がん難民がもっと増える可能性だってあるのです。
全国の病院、医者にも悪いやつもいるのです。
平岩先生をはじめこのWeb相談室の先生達のような良心的で患者の為を思ってくれる先生ばかりではないということを頭に入れておかなければならないと思います。(ちなみに私の母のかかったお医者さん達は良心的でした。今でも感謝しています。)
もっと厚生労働省のお役人に仕事をさせましょう。
混合診療について 【 投稿者 Y.U. 】 January 10, 2005
こんにちは。私は33歳直腸癌(ステージW)の患者です。
直腸の手術をしてから二年が経ち、現在は腹膜転移、肺転移がみられます。卵巣への転移は半年前に切除しました。
私は現在、混合診療でオキサリプラチンを投与してもらっています。しかし、残念ながら私にはオキサリプラチンは期待していたほどの効果はなかったようです。次回からはトポテシンとシスプラチンの投与という、日本で承認されている薬を使いますが、混合診療をみとめてもらってオキサリプラチンを使えて本当によかったと思っています。
幸い、私は癌保険に加入していましたので、オキサリプラチンの個人輸入にかかる費用はほとんど保険で賄えましたが治療のすべてが自由診療だったならば、とても払える金額ではありませんでした。そして、不幸にも思わしい効果が上がらなかったのですが、ためしてもいないのに諦めてしまうのとでは大違いです。
信頼できる医師に担当してもらって、幸せだと思っています。ですから、日本のどこの病院でも同じ治療をうける事が出来れば、無念のまま亡くなっていく患者さんが減るに違いないのに、と考えてやみません。
ちなみに私の場合、余命は医師から聞いていません。ただ、半年前の手術から数えて一年持てば上出来だそうです。しかし、病院側を説得して未承認薬を使用してくれた医師がいてくれるので、私はまだまだ諦めていません。
確かに使える薬は限られてきましたが、あの手この手を考えながら生き抜こうと思っています。こんな前向きな気持ちでいられるのも
「混合診療や未承認薬など、ほかの患者さんよりも恵まれた治療を受けられている」
という、自覚があるからかもしれません。
混合診療について 【 ペンネーム もつ煮 】 January 28, 2005
混合診療の結果についての説明
厚生労働省へ行ってきました。(1/26・16:00〜)
先月「癌と共に生きる会」で要望をあげた、混合診療の結果についての説明があると、尾辻厚生労働大臣より連絡があり、「癌と共に生きる会」メンバーで厚労省へ行き話しを聞いてきました。
厚労省としては、混合診療の全面解禁という形ではなかったが、患者側の要求に対し、ほぼ答えられたと自負しているとのことでした。
しかし、混合診療の問題が提起されたことについては、混合診療時の保険診療分の自己負担は通常考えてもひどいと思うし、反省しているとのことでした。
今まで、がんを考えた時、患者の視点が抜けていたと思う為、今回は最大限患者の立場に立って何に困っており、何を希望されているのかを考え、患者のための混合診療を最優先に進めたとのこと。
1/21に開催された「未承認薬検討委員会」についても、大臣の肝いりで行なっており、今までの役所仕事からみると異例のスピードで審議しているとのことでした。
同日に開催された「がん均てん化委員会」においても早急に進めるよう冒頭話をしたとのことでした。
また、癌は、国民の死亡原因の一番の病気であるにもかかわらず、全体の医療費の中に占める癌対策費として予算は、ほんのわずかな金額であり、がんについて真剣に考えるなら、この予算では到底足りないので再度予算化の検討をする必要があると思っているとのこと。
予算以外でも何かしらの癌対策(検討中)を、早急に且つ前向きに取り組んでいきたいとのことでした。がんについて厚労省の関係部署で考えると3局程度に分かれるので、局の枠を超えたがん対策のチームを作れると良いと思っているとのこと。また、名ばかりのチームではなく、実行の伴うものにしたいとのことでした。
大臣は会見の最後に「患者の声や視点が大切なので、いつでも私のところに直接要望を持ってきてください」との話がありました。
私は尾辻大臣が、がん医療の抱えているお寒い現状がわかり、「何とかしなければ」という気持ちになり、前向きに考えてくれているという印象を持ちました。
併せてがん医療を良くするには、我々患者が直接訴えていくことが一番の早道だと思います。
<< 私の混合診療のイメージとギャップについて >>
混合診療解禁と聞いて、私が単純なのかすぐに未承認の抗がん剤の大部分に混合診療が利用できるようになるのかと思っていたのですが、実際はそんな簡単なものではなく、要望のあった抗がん剤について、未承認薬検討委員会で検討し、3ヶ月以内で答えを出し、その後特定療養費制度を利用し混合診療が可能になるとのことでした。
今回検討された薬は、承認寸前のオキサリプラチンを含む3剤のみでした。
海外では承認され標準的に使用されているが、日本で未承認の抗がん剤は既存のものだけでも80種類程度あり、それが一括で混合診療可能になる?とはいわないまでも、大部分の抗がん剤が、すぐに混合診療の対象になると思っていただけに正直ショックでした。
何でこんなに難しいのでしょうか。未承認薬検討委員会が年4回だとすると、検討できるのは一年間に12剤、次々の新しい抗がん剤が開発されることを考えると、とても十分とはいえません。
厚労省が言っている今までに比べてのスピードアップは認めますが、日々がんという病気と闘っている患者にとっては、厚労省のスピードでは間に合わないのが現実です。
混合診療が認められたのが、患者が亡くなった後というようなことが起こらないためにも、また混合診療が形骸化しないためにも、未承認薬検討会での検討抗がん剤の数を大幅に増やすこと、検討スピードのアップを要望していきましょう。
この要望を大臣に伝えたところ、大臣からも未承認薬検討委員会に患者の現状を伝え、早期に検討を進めるよう要求してみますとのことでした。
ペンネーム ヨネ 様へ(プロフィールへのご返事です-ペンネーム もつ煮)
ヨネさんへ心温まる応援ありがとうございました。
絶対に治ると信じて毎日を頑張っていきたいと思っています。
がんとは思えないほど元気に過ごしていますよ。