【 みんなが使える抗がん剤の承認、保険適応の一覧が欲しい 】
2004年12月15日
かりんと@子宮頚がんVa期:放射線治療
いつも「WEB相談」「拡張版 読む抗がん剤」拝見させていただいています。
平岩先生以下、皆様の日夜のご努力に頭が下がります。
抗がん剤の承認や保険適応、混合治療の問題については、目下治療を受けている患者自身でさえ、知らない人が多いのです。
この問題に関心を呼ぶには、国民が厚生省の不作為や現行の医療制度でどれだけ不利益を蒙っているのか、もっと明らかにする必要があるのではないのかと思い、手始めに抗がん剤の承認、保険適応の実態について、一覧できるデータがないか調べてみました。
一つにはタキソールがこの秋、子宮頚がんに保険適応になったと聞いたので、どうなっているのか知りたいと思いました。また2004年のASCOの報告で、再発・進行子宮頸がんにイリノテカン/ネダプラチン、イリノテカン+ゲムシタビンが奏効したという報告があったようなので調べてみようと思いました。
素人の利便性から考えると、病名から治療法、薬名、承認、保険適応の有無がわかるものが望まれます。もちろん平岩先生を泰斗に、専門医はみなさんご存知のことでしょうし、病名→抗がん剤までなら、当然のことながら現行のHP、平岩先生の本にもあるわけですが。
結論から言うと、一覧みたいなものはないようです。
●ネット上で探してみると、
○薬名からひけるものはいくつかあります。
「CCI JAPAN」http://www.ccijapan.com/medicine_index.html
「発掘やくやく大辞典」http://medicine.cug.net/index.htm
「医薬品医療機器総合情報機構」
https://www.info.pmda.go.jp/info/pi_index.html
・病院でも詳細な情報を載せているところもあります。
「国立がんセンター」
https://www.ncc.go.jp/jp/ncc-cis/pub/medicine/030105.html
薬が一覧され適応症が書いてあります。
○患者団体などが、承認されたものを適宜ニュースとして伝えています。
「癌と共に生きる会」
http://www.cancer-jp.com/
○併用療法に係る抗がん剤の適応拡大を早めるため
(年間10〜15効能を目標)、
厚生労働省医政局研究開発振興課03−3595−2430(ダイヤルイン)
厚生労働省医薬食品局審査管理課03−3595−2431(ダイヤルイン)
で以下の作業がなされています。
(1)抗がん剤併用療法に関する検討会の設置
(1) 適応拡大の優先順位、
(2) 薬事審査のための有効性・安全性のエビデンスの収集
(2)薬事承認審査手続きの迅速化(審議会の事前評価の実施と審査期間の短縮)
その報告書が、適宜アップされています。今まで7回(平成16年11月24日)開かれたようです。
●「癌と共に生きる会」の方にも相談してみましたが、どうも無さそうなので、厚生労働省に電話してみました(厚生省のHPでは見つかりませんでした)
抗がん剤の適応拡大を担当している医薬食品局審査管理課にかけると、電話を回されて、当該課(課名を聞きそびれました)のSさんという方が対応してくれました。
まず、投薬するのは医師なので、医師に聞けばいいことではと言われました。
こうした情報は患者向けではなく、医療従事者や制約関係者向けだと考えられているんですね。
さらに聞くと、
・本屋で医療従事者向けの投薬ガイドブックを買う
今日の治療薬―解説と便覧 (2004) ¥4,830
治療薬マニュアル (2004) ¥5,250
・医薬品医療機器総合情報機構のHPで薬の名前で検索する
曰く、
抗がん剤が承認されるのは、3か月に1回、年に2、3品目なので、医療従事者向けの本で見て、あとは上記HPで検索、相談室に問い合わせれば、フォローできるのではないかと言われました。
そもそも一般への情報提供も厚生省の業務なのではと聞くと、「おっしゃる通りなんですが‥」とのらりくらり。医薬品の対象はがんだけがではないので、全部に対応できないのかもしれないとは思います。加えて、医師・薬剤師の学会に聞く、製薬会社に聞くことを勧められました。
●さらに、厚生省に勧められた、医薬品医療機器総合情報機構の「情報公開室」 03-3506-9601にも聞きましたが、ここにも無いそうです。
担当者は医師が処方するものだから、医師に聞けばいいのでは、と通り一遍でした。
思わず「今では患者がアメリカのPubMedを検索したり、ASCOの最新情報を得たりしている時代。
「場合によっては医師よりも情報が早い場合もあるんですよ」
と言いましたが、通じたんだかどうだか。
厚生労働省からは、更新情報が流れて、それはHPに反映されるようです。
不満の残る結果でした。
「寄よらしむべし、知らしむベからず」という言葉が、東京・霞ヶ関の中央省庁に脈々と生きていることを実感しました。